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Google AI StudioとGemini APIの使い方|APIキー取得・料金・Vertex AI連携

Googleの高性能AIモデル「Gemini」を使って開発を始めたいけれど、公式ドキュメントが複雑で、どこから手をつければいいか分からない。
特に「Gemini」「AI Studio」「Vertex AI」の違いが不明確で、「APIキー」の取得方法でつまずいてしまった、という開発者の方は多いのではないでしょうか。

この記事は、そのような開発者の皆様に向けた「実践的なツアーガイド」です。
Googleの公式ドキュメントの複雑さを翻訳し、開発の「最初の第一歩」であるAPIキーの取得から、最小限のコード実行による成功体験までを、視覚的に分かりやすく解説します。

さらに、プロトタイプ(AI Studio)で終わらず、本格的な「開発・連携」(Vertex AI)に進むためのロードマップも提示します。

この記事を読んでわかること
  • 「Google AI Studio」「Gemini API」「Vertex AI」の明確な違いと使い分け
  • AI Studioを使った「Gemini APIキー」の具体的な取得手順
  • AI Studioでの試作からVertex AIを使った本格的な「開発・連携」へのロードマップ

1.なぜ今、開発者はGemini APIを学ぶべきか?

なぜ今、開発者はGemini APIを学ぶべきか?

2025年現在、生成AI市場は急速な成長を続けており(※注1)、AIを組み込んだアプリケーション開発は、もはや選択肢ではなく必須のスキルとなりつつあります。

その中でも、Googleが提供する「Gemini API」は、その高い性能と柔軟性から、世界中の開発者から注目を集めています。

テキスト、画像、音声などを同時に扱うマルチモーダル性能は、これまでにない新しいユーザー体験を生み出す可能性を秘めています。

Gemini APIを学ぶことは、単に新しい技術を習得するだけでなく、開発者自身の市場価値を高め、新たなビジネスチャンスを掴むための重要な鍵となります。

0
約$170億
約$340億
$231.8億
2024年
$343億
2025年
年平均成長率 47.9%
参考:市場調査会社GII|ジェネレーティブAIの世界市場レポート 2025年

※注1:市場調査会社GIIによれば、世界の生成AI市場は2024年の231億8,000万米ドルから2025年には343億米ドルに達すると予測されています(年平均成長率47.9%)。

参考:市場調査会社GII|ジェネレーティブAIの世界市場レポート 2025年

2.【全体像を整理】Gemini, AI Studio, Vertex AI – 用途と対象者の違い

開発者が最初につまずくのが、この3つの用語の混同です。

これらはGoogleのAIエコシステムにおける異なる役割を担っており、その違いを理解することが開発の第一歩となります。

3つの「Gemini」の混同を解消する

Google Gemini (アプリ)
一般消費者向け(B2C)
Google AI Studio
開発者向けプロトタイプツール(B2D)
Vertex AI
エンタープライズ向け本番環境(B2D)

(1) Google Gemini (アプリ):一般消費者向け(B2C)

これは、私たちが一般的に「Gemini」と呼ぶチャットAIサービス(旧Bard)です。

開発者がAPI経由で利用するものではなく、エンドユーザーが直接利用するWebアプリケーションです。

(2) Google AI Studio:開発者向けプロトタイプツール(B2D)

本記事の主役です。開発者がGemini APIを「お試し」で使い、迅速にプロトタイプを構築するためのWebベースのツールです。APIキーの取得もここで行います。

(3) Vertex AI:エンタープライズ向け本番環境(B2D)

AI Studioで作成したプロトタイプを、本格的なビジネスアプリケーションとして本番環境にデプロイ・運用するための、Google Cloudのエンタープライズ向けプラットフォームです。

用途別比較:AI StudioとVertex AIの使い分け

開発者は、自身の目的応じてこの2つを使い分ける必要があります。

比較項目Google AI StudioGoogle Vertex AI
主な用途学習、実験、プロトタイピング本番環境での開発、デプロイ、運用
対象者個人開発者、学生、初心者企業、エンタープライズ開発者
インフラGoogleが管理(手軽)自社のGoogle Cloud環境(高度な制御可)
料金寛大な「無料枠」あり従量課金制(エンタープライズ向け機能)

結論として、「まずはAI Studioで無料で試し、アイデアが固まったらVertex AIで本番開発に進む」というのが王道の流れとなります。

3.ステップ1:Google AI StudioでGemini APIキーを取得する全手順

AI Studio (ai.google.dev) へアクセス

Googleアカウントでログイン

最重要: 「Get API key」をクリック

GCPプロジェクトを選択/作成 (APIキーが紐付く)

「Create API key in new project」が簡単

APIキーが自動生成・表示

キーをコピーし、安全な場所に保管

重要: キーは秘密鍵。他人に公開厳禁。
画面を閉じるとキー再表示不可 (再発行は可)。

ここが開発の「最初の鍵」を取得する、最も重要なステップです。公式ドキュメントでは複数のページにまたがっており分かりにくい部分を、手順を追って解説します。

AI StudioへのアクセスとGoogleアカウントでのログイン

まず、Google AI Studio の公式サイト(ai.google.dev/aistudio)にアクセスします。
Googleアカウントでのログインを求められるため、お持ちのアカウントでログインしてください。

参考:Google AI Studio | Gemini API | Google AI for Developers

「Get API key」のクリックとGoogle Cloudプロジェクトの選択(※最重要のつまずきポイント)

AI Studioにログインすると、ダッシュボードが表示されます。
ここで多くの開発者が迷うのが、「APIキーはどこで取得するのか?」という点です。

左側のメニュー、または画面上の目立つ場所にある「Get API key」というボタン(またはリンク)をクリックします。

すると、「Google Cloudプロジェクト」を選択または作成する画面が表示されます。
ここが最重要ポイントです。Gemini APIキーは、Google Cloudのプロジェクトに紐づいて発行されます。
「Create API key in new project」(新しいプロジェクトでAPIキーを作成)を選択するのが最も簡単です。

APIキーの作成とコピー&保存の注意点

プロジェクトを選択(または作成)すると、すぐにAPIキーが生成され、画面に表示されます。
この文字列が、発行されたGemini APIキーです。

【注意】
このAPIキーは、Googleアカウントと課金情報(Vertex AI利用時)に紐づく、非常に重要な秘密鍵です。絶対に他人に公開したり、GitHubなどのパブリックな場所にアップロードしたりしないでください。

「コピー」ボタンをクリックしてキーをコピーし、安全な場所(パスワードマネージャーやローカルの環境変数ファイルなど)に厳重に保管してください。この画面を閉じてしまうと、キーを再表示することはできません(再発行は可能です)。

参考:Google AI Studio quickstart | Gemini API | Google AI for Developers

4.ステップ2:【コピペで動く】Gemini API最小構成サンプルコード(Python)

ターミナルで以下を実行し、ライブラリをインストールします。
pip install google-generativeai
【重要】キーの直書きは非推奨(セキュリティリスク)。テスト後は削除してください。
推奨:環境変数(os.environ.getなど)で読み込んでください。
下記コードを test.py 等で保存し、YOUR_API_KEY をご自身のキーに書き換えます。
import google.generativeai as genai

# ご自身のAPIキーに書き換えてください
GOOGLE_API_KEY = 'YOUR_API_KEY' 

genai.configure(api_key=GOOGLE_API_KEY)

# 利用するモデルを選択 (gemini-2.5-flashは高速・低コストなモデル)
model = genai.GenerativeModel('gemini-2.5-flash')

# プロンプト(指示文)を送信
prompt = "Google AI StudioとGemini APIの違いについて、簡潔に教えてください。"
response = model.generate_content(prompt)

# 結果を出力
print(response.text)
ターミナルで python test.py を実行。回答が返れば成功です。

APIキーが取得できたら、すぐに「最小の成功体験」を得てみましょう。公式ドキュメントの複雑なサンプルではなく、コピペで動く最小限のコードをご紹介します。

(1) 環境構築(pip install google-generativeai)

まず、Pythonの環境にGoogleの公式ライブラリをインストールします。
ターミナル(コマンドプロンプト)で以下のコマンドを実行してください。

pip install google-generativeai

(2) APIキーを設定する

【重要:セキュリティ警告】
本番環境のコードにAPIキーを直接書き込むことは、深刻なセキュリティリスクとなるため非推奨です。テスト目的であっても、実行後は必ずキーを削除してください。
推奨される方法は、環境変数(os.environ.getなど)を使用してキーを読み込むことです。

(3) 最小のPythonコードでテキスト生成を実行する

以下のコードを test.py などの名前で保存し、YOUR_API_KEY の部分を、先ほどコピーしたご自身のAPIキーに書き換えてください。(※これはテスト用の簡易的な方法です。実際の開発では環境変数を使用してください)

import google.generativeai as genai

# ご自身のAPIキーに書き換えてください
GOOGLE_API_KEY = 'YOUR_API_KEY' 

genai.configure(api_key=GOOGLE_API_KEY)

# 利用するモデルを選択 (gemini-2.5-flashは高速・低コストなモデル)
model = genai.GenerativeModel('gemini-2.5-flash')

# プロンプト(指示文)を送信
prompt = "Google AI StudioとGemini APIの違いについて、簡潔に教えてください。"
response = model.generate_content(prompt)

# 結果を出力
print(response.text)

ターミナルで python test.py を実行し、Geminiからの回答が返ってくれば成功です。

5.ステップ3:Gemini APIの料金体系と「無料枠」を分かりやすく解説

ステップ3:Gemini APIの料金体系と「無料枠」を分かりやすく解説

開発者が次に知りたいのがコストの問題です。Gemini APIの料金体系は、AI StudioとVertex AIで異なります。

Google AI Studioの「無料枠(Free tier)」でできること

AI Studioで利用できるGemini APIキー(通称:Generative Language API)には、非常に寛大な「無料枠」が設定されています(2025年10月現在)。

例えば、最新の「Gemini 2.5 Flash」モデルであれば、1分あたり15リクエスト、1日あたり1,500リクエストまでが無料で利用可能です。
これは、学習やプロトタイピングの段階では十分すぎるほどの枠であり、開発者はコストを気にせず自由に実験を行うことができます。

主要モデル(Gemini 2.5 Flash / Pro)の料金体系(トークンあたり)

無料枠を超えた場合、またはVertex AIを利用する場合は、処理した「トークン」(おおよそ単語や文字の単位)に基づいた従量課金が発生します。

主要モデル(Gemini 2.5 Flash / Pro)の料金体系

無料枠を超えた場合、またはVertex AIを利用する場合は、処理した「トークン」(おおよそ単語や文字の単位)に基づいた従量課金が発生します。

※料金体系は2025年11月現在、旧モデルから大幅に更新されています。特にGemini 2.5 Proの出力料金が変更されているためご注意ください。

モデル条件入力料金(100万トークンあたり)出力料金(100万トークンあたり)
Gemini 2.5 Flash推論(Reasoning)なし$0.15$0.60
Gemini 2.5 Flash推論(Reasoning)あり$0.15$3.50
Gemini 2.5 Pro~20万トークン$1.25$10.00
Gemini 2.5 Pro20万トークン超$2.50$15.00

(※上記は2025年11月上旬時点の検索結果に基づき作成したものです。料金は変動する可能性があるため、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。)

Vertex AI利用時の料金との違い

Vertex AIでGemini APIを利用する場合、上記のトークン料金に加えて、Google Cloudのインフラ利用料(ネットワーキングなど)が別途発生する可能性があります。

ただし、Vertex AIではエンタープライズ向けの高度なセキュリティ、ガバナンス、他のGCPサービスとの連携機能が提供されるため、本番環境ではその価値がコストを上回ることが多いです。

6.ステップ4:AI StudioからVertex AIへ – 本格的な「開発・連携」へのロードマップ

ステップ4:AI StudioからVertex AIへ - 本格的な「開発・連携」へのロードマップ

AI Studioでのプロトタイピングが成功したら、次はいよいよ本格的な「開発・連携」フェーズ、すなわちVertex AIへの移行です。

プロトタイプから本番環境へ

AI Studioはあくまで実験場です。多くのユーザーが同時にアクセスするWebサービスや、企業の基幹システムと連携するようなアプリケーションを構築する場合、AI Studioの環境ではスケーラビリティ(拡張性)やセキュリティ、運用管理の面で限界があります。

なぜ本番開発(連携)でVertex AIが選ばれるのか?

AI StudioからVertex AIへの移行が推奨される理由は、主に以下の3点です。

スケーラビリティと信頼性
エンタープライズ・セキュリティ
GCPサービスとのシームレスな連携

スケーラビリティと信頼性

Google Cloudの堅牢なインフラ上で動作し、大規模なトラフィックにも耐えうるスケーラビリティを提供します。

エンタープライズ・セキュリティ

VPC Service ControlsやIAM(ID管理)など、企業が求める高度なセキュリティとガバナンス機能を利用できます。

GCPサービスとのシームレスな連携

Vertex AIの真価は「連携」にあります。例えば、BigQuery(データウェアハウス)のデータを直接Geminiに連携させたり、Cloud Functions(サーバーレス)と組み合わせてイベントドリブンなAI処理を構築したりすることが可能です。

エンタープライズ連携の可能性

Vertex AIをハブとすることで、社内のデータベース(顧客情報、商品マスタなど)とGemini APIを安全に連携させ、自社独自のAIチャットボットや、データ分析の自動化といった、より高度な「課題解決」ソリューションを実現できます。

参考:Gemini API in Vertex AI quickstart | Generative AI on Vertex AI

7.AI Studioから始めるGemini API開発と、その先の可能性

本記事では、複雑に見えるGoogleのAI開発エコシステムを「翻訳」し、開発の第一歩を踏み出すための実践的なガイドを提供しました。

重要なのは、「まずはAI StudioでAPIキーを取得し、最小のコードで成功体験を得ること」、そして「その先の本格的な開発・連携にはVertex AIという道筋が用意されていること」を理解することです。

公式ドキュメントで迷う時間を節約し、この記事をガイドマップとして、ぜひGemini APIを使った新しいアプリケーション開発の第一歩を踏み出してみてください。

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